英語で書かれた本を選ぶとき、その本のレベルがどれぐらいか知りたいですよね?
メジャーな試験と洋書のレベルなどを比較してみました。
ぜひ、英語の多読をする際の参考にしてみてください。
CEFRと試験スコアのレベル比較
レベル | CEFR | TOEIC | IELTS | TOEFL iBT | 英検 | |
Begginer | 入門 | Pre-A1 | 5級~ | |||
Elementary | 初級 | A1 | 0~200 | 1.0~2.0 | 8~23 | ~3級 |
Pre-Intermediate | 初中級 | A2 | 200~500 | 2.5~3.0 | 24~56 | 準2級 |
Intermediate | 中級 | B1 | 500~750 | 3.5~4.5 | 57~86 | 2級 |
Upper-Intermediate | 中上級 | B2 | 750~850 | 5.0~6.0 | 87~109 | 準1級 |
Advanced | 上級 | C1 | 850~900 | 6.0~7.0 | 110~120 | 1級 |
C2 | 905~990 | 7.5~9.0 | - | - |
CEFRとGraded Readersなどの洋書とのレベル比較
レベル | CEFR | YL | Headwords | Total Words | Cambridge English Readers | Oxford Bookworms | Oxford Read and Discover | Penguin Readers | LEXILE | |
Begginer | 入門 | Pre-A1 | 0 | 200~250 | 1000 | STARTER | STARTER | LEVEL 1、2 | - | ~535L |
Elementary | 初級 | A1 | 1.0 | 300~400 | 3000 | LEVEL 1 | STAGE 1 | LEVEL 3、4 | STARTER | |
Pre- Intermediate | 初中級 | A2 | 2.0 | 600~800 | 7000 | LEVEL 2 | STAGE 2 | LEVEL 4、5 | LEVEL 1、2 | 540L~800L |
Intermediate | 中級 | B1 | 3.0 | 1000~1300 | 10000 | LEVEL 3 | STAGE 3 | LEVEL 6 | LEVEL 3、4 | 805L~1090L |
4.0 | 1400~1900 | 20000 | LEVEL 4 | STAGE 4 | LEVEL 6 | LEVEL 5 | ||||
Upper- Intermediate | 中上級 | B2 | 5.0 | 1800~2800 | 28000 | LEVEL 5 | STAGE 5 | - | LEVEL 6 | 1095L~1320L |
Advanced | 上級 | C1 | 6.0 | 2200~3800 | 30000 | LEVEL 6 | STAGE 6 | - | LEVEL 7 | 1325L~1460L |
C2 | 7.0~ | 4000~5000 | 50000~ | - | - | - | - | 1465L~ |
CEFRとは?
まず、上のレベル比較表で基準となっている「CEFR」について確認してみましょう。
「CEFR(セファール)」は、外国語のスキル(運用能力)を同一の基準で測るための国際標準です。
正式名称は、「ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages)」といいます。
英語だけではなく、スペイン語やフランス語など、さまざまな言語に取り入れられています。
おもにヨーロッパで使用されていますが、ヨーロッパ以外の国々でも、徐々に認知度が高まってきています。日本語教育にも取り入れられています。
ブリティッシュ・カウンシルのホームページで、各レベルの概要が説明されています。
引用元: CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠) | ブリティッシュ・カウンシル (britishcouncil.jp)
段階 CEFR 能力レベル別に「何ができるか」を示した熟達度一覧 熟達した言語使用者 C2 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。
いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。
自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。C1 いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。
言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。
社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。
複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。自立した言語使用者 B2 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。
母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。
幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。B1 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。
その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。
身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。基礎段階の言語使用者 A2 ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。
簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。A1 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。
自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。
もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。
日本人の平均CEFRレベルは?
国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が発表した、日本人のTOEIC Listening & Readingの平均スコアは574点です。
スピーキングとライティングを含んでいないので同等に比較することはできませんが、ざっくり比較すると、日本人のCEFRの平均はB1レベルになります。
CEFRのレベルチェック
ケンブリッジ大学出版のホームページにあるレベルチェックテストで、自分のCEFRレベルを確認することができます。
レベルチェックテストは、無料で受けることができます。
25問の選択問題に解答すると、CEFRのレベルが表示されます。
解説はありませんが、問題文と自分の解答、正しい答えが表示されるので、どの問題を間違えたか見直すことができます。
ぜひ、CEFRレベルの確認をしてみてください。
YL(読みやすさレベル)とは?
「YL(読みやすさレベル)」とは、SSS英語学習法研究会が日本人向けに独自に定めた、洋書のレベル基準です。
つまり、英語の多読をする日本人学習者のために開発した指標です。
数字が大きくなるごとに難易度が上がっていきます。
読みたい本のYL(読みやすさレベル)の確認方法
SSS英語学習法研究会ホームページの「SSS推薦・多読用基本洋書のご紹介」で、各レベルに該当する出版社や本のシリーズが紹介されています。
著者やタイトルで本の検索をしたい場合は、SSS書評検索システムが便利です。
「簡易検索」にキーワードを入力すると、本のレベルや総語数などがリスト形式で表示されます。
多読をしている人が個人的にレベルを付けているので、若干のばらつきはあります。
私も利用していますが、多読をする本を選ぶのに、さほど支障はないです。
また、日本多読学会が作成した「2022 多読図書YL・語数リスト」というPDFが公開されています。
レベルや総語彙数、面白さなどもリストに掲載されています。
ボリュームがすごいので、PCの方が検索もできて使いやすいと思います。
googleでも、キーワードに書籍名と「YL」を入力して検索することで、多くの洋書のYL(読みやすさレベル)を確認することができます。
ただ、個人的にレベル付けしているものも多いので、レベル表記にばらつきが見られます。
Lexileとは?
Lexile(レクサイル)とは、英語の「読解力」と「文章の難易度」を示す指標のことです。
正式には、Lexile Measure(レクサイル指数)と言います。
アメリカのMetaMetrics社が開発しました。
世界165カ国以上で利用されています。
アメリカの学校では、学力テストでLexile指数が測定されます。
CEFRやYL(読みやすさレベル)、Graded Readersは英語学習者向けの指標ですが、Lexileは英語ネイティブ向けになります。
日本人が多読をするために洋書のレベルを確認するには、LexileよりもYLを参考にした方が良いでしょう。
Lexileのレベル分けについて
Lexileのレベルは、0Lから2000Lまであります。
絵本などの0Lより下のレベルにはBR(Beginning Reader)がアタマに付きます。
自分のLexileレベルの確認方法
自分のLexileレベルを確認する方法は、おおまかに2つあります。
読みたい本のLexileレベルの確認方法
Lexileのホームページで検索することができます。
ページ上部にある「Quick Search」に作家の名前や本のタイトルを入力し、「Enter」を押すと検索結果が表示されます。
Find A Book | Lexile & Quantile Hub
検索結果はLexileのレベル順や出版日の新しいもの順など、表示を切り替えることができるので便利です。
Find A Book | Lexile & Quantile Hub
Lexileは英語ネイティブ向けですので、YL(読みやすさレベル)で読みたい本のレベルを確認できないときに、このサイトでLexileのレベルを確認するのが良いでしょう。
まとめ
今回はCEFRを基準にして、英語のメジャーな試験や洋書のレベルを比較してみました。
洋書を選ぶ際の参考にしてみてください。
じゃ、今回はこのへんで…
Seeya!
またね!
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