こんにちは!
アンリのイギリス英語の管理人、アンリです。
今日のテーマは「発音」です。
イギリス英語といっても、社会階級や教育レベル、地域によって発音はさまざまです。
たとえば、私の大好きな歌手のアデルさんの発音は、イングランド南東部の発音のエスチュアリー英語を話すことで有名です。
ロンドンには、ロンドンっ子特有のコックニー英語を話す人が多くいます。
日本で言うところの「江戸っ子」のようなイメージですかね…
聞き取りは難しいけれど、なんかあの響き、いいんですよね(笑)
地域差が大きいイギリス英語ですが…
ここでは「標準イギリス英語」と「標準アメリカ英語」をもとに、比較していきます。
標準イギリス英語とは?
標準イギリス英語の特徴をリストアップしてみると…
- 日本でいうところのNHKにあたる、イギリスのBBC(英国放送協会)のアナウンサーが話す英語
- 「標準イギリス英語(RP、容認英語)」や「BBC English」などと呼ばれている
- Received Pronunciation(RP)と呼ばれている発音は、上流階級の人たちや南イングランドの一部の人たちしか使っていない
- 標準イギリス英語を話している人は、人口の5%に満たないと言われている
- 話す英語によって社会階級や教育レベルを判断する人が多いので、就職のためにこの標準イギリス英語に発音矯正する人もいる
- 有名なイギリス人俳優のヒュー・グラントさんは、この標準イギリス英語を話す
- イギリス英語教材の音声の多くは、標準イギリス英語を使用している
だそうです。
これだけじゃ、ちょっとわかりにくいですね…
ということで、実際に標準イギリス英語とコックニーを聞き比べてみましょう!
標準イギリス英語 vs ロンドンのコックニー
このYoutube、とってもおもしろいです!
標準イギリス英語とロンドン特有のコックニーを比べて説明しています。
コックニーの聞き取りは、かなりのハイレベルです。
江戸っ子の「ひ」と「し」が混ぜこぜになる現象みたいなものが、英語で起きています。
日本語字幕が出るので、何を言っているのかは分かりますが…
とにかく、むずかしい
ロンドンに行く予定があれば、見てから行くことをおススメします!
コックニーが分かれば、パブやマーケットなどで、もっと会話を楽しめますね!
私も行く前に勉強しておくべきだった…
標準アメリカ英語とは?
つづきまして
標準アメリカ英語の特徴をリストアップしてみましょう…
- 私たちが一般的に「アメリカ英語」と呼んでいるのが、「標準アメリカ英語」
- アメリカ全土の75パーセントを占める中西部の発音
- 地域による発音の差は少ない
- 中西部・南部・東部の3種類に大きく分けられる
- 標準アメリカ英語は、General American(GAやGAP)と呼ばれている
…。
やっぱり、これも実際に聞いてみないと!
こちら↓のYoutubeも、分かりやすく比較しています。
日本語訳は出ないけど、英語の字幕を見れます。
アメリカ東海岸 vs 西海岸の英語
アメリカの東海岸と西海岸出身の人たちが集まって、それぞれの発音や単語の違いを比べて話しています。
こういう地域で違うぞっていう話、生まれ住んだ人たちじゃないと分からないことって多いですよね
みんな、かなり盛り上がってます!
ちなみに、映画「キューティ・ブロンド(原題:Legally Blonde)」でも、アメリカの東海岸と西海岸の英語の違いを比べられます!
西海岸のロサンゼルスにあるCULA(ロサンゼルス市立大学)から、東海岸のマサチューセッツにあるハーバード大学のロースクールに舞台が移るので、英語だけじゃなく街並みやファッションなど、とっても楽しい映画です。
キューティ・ブロンド Amazonプライムで、予告編の視聴&レンタルができます。
イギリス英語とアメリカ英語のおもな発音の違い
ここからが本題
イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いを見ていきましょう。
「a」や「au」の発音が違う
アメリカ英語で「ア」と「エ」を一緒に発音する「æ」(短い「ア」)を、イギリス英語では「ɑː」(長い「アー」)と発音するものがあります。
有名なものでは「can」で、アメリカでは「キャン」「キャーン」と発音しますが、イギリスでは「カン」と発音します。ただ、イギリスでも「can」に強い意味を込めて発音するときは、アメリカと同じ「キャン」になります。
比較表(分かりやすいように、発音は発音記号とカタカナにしました)
※カタカナは、あくまでも参考です
単語 | イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
can | kən カン | kæn キャン | できる |
after | ɑ́ːftə アーフタ | ǽftər アフタァ | ~のあと |
ask | ɑ́ːsk アースク | ǽsk アスク | 頼む |
aunt | ɑːnt アーント | ǽnt アント | おば |
bath | bɑːθ バース | bæθ バス | おふろ |
castle* | kǽsl キャーソゥ | kǽsl キャッスル | お城 |
class | klɑːs クラース | klǽs クラス | クラス |
dance | dɑːns ダーンス | dæns ダンス | ダンスする |
example | iɡˈzɑːmpl イグザァームプル | igzǽmpl イグザァンプル | 例 |
fast | fɑːst ファースト | fǽst ファスト | 早い |
forecast | fɔ́ːkæ̀st フォーカースト | fɔ́rkæ̀st フォーキャスト | 予想 |
France | frάːns フラーンス | frǽns フランス | フランス |
grass | grɑːs グラース | græs グラス | 草 |
laugh | lɑ́ːf ラーフ | lǽf ラフ | 笑う |
plant | plɑːnt プラーント | plænt プラント | 植物 |
rather | rɑːðər ラーザァ | rǽðər ラザァ | かなり |
そういえば、ロンドン ヴィクトリア駅でリーズ城への行き方を駅員さんに確認したとき、
なかなか「リーズ キャッスル」って言っても通じなくて困った経験があるよ
何回も言い直して、「あ~ リーズ キャーソゥのことね」って言われたのを忘れられないよ
今では楽しい思い出の一つだな
「r」の発音が違う
アメリカ英語では、単語の終わりの「r」の音を、舌を押し上げるような感じ(巻き舌)で強く発音します。少しこもった音になります。
イギリス英語では、単語の頭文字以外の「r」(子音の前にある「r」や単語の最後の「r」)は、ほとんど発音しないです。
比較表(分かりやすいように、発音は発音記号とカタカナにしました)
※カタカナは、あくまでも参考です
単語 | イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
bitter | bítə ビタ | bítər * ビタァ | にがい |
car | kɑ́ː カー | kɑ́r * カー | 車 |
park | pɑ́ːk パーク | pɑ́ːrk * パーク | 公園 |
sharp | ʃɑ́ːp シャープ | ʃɑ́rp * シャープ | 鋭い |
water | wɔ́ːtə ウォータ | wɔ́tər * ワラー | 水 |
「t」や「d」の発音が違う
アメリカ英語では、「t」の音は「d」の音に近いです。はっきりと発音されません。
母音の間にくる「t」や「d」は、日本語の「ら」に似た音になります。
ただし、「attack」のように後ろにアクセントがくるときは、「d」や「ら」の音にはならないです。
アメリカ英語の「d」の音は、はじくような音になります。
イギリス英語では、「t」や「d」の音は、かなりはっきりと発音します。
つづり字のとおりに発音します。
比較表(分かりやすいように、発音は発音記号とカタカナにしました)
※1. カタカナは、あくまでも参考です
※2. 発音の注意事項は、表の下にあります
単語 | イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
bitter | bítə ビタ | bítər ビタァ | にがい |
ladder | lǽdə ラダ | lǽdər ラダァ | はしご |
Peter | píːtə ピーター | píːtər ピーター | ピーター(名前) |
water | wɔ́ːtə ウォータ | wɔ́tər ワラー | 水 |
リンキング(リエゾン)の違い
「リンキング」や「リエゾン」って、聞いたことがありますか?
「1つ目の単語の最後の音」と「2つ目の単語の最初の音」がつながって、1つの音になる音声変化のことを言います。
洋楽を聴いていると、よく登場します。
「Nice to meet you」の「ミート ユー」の部分が「ミーチュー」になる、音の変化のことです。
このリンキング(リエゾン)は、イギリス英語でもアメリカ英語でも起こる変化です。
でも、アメリカ英語の方が、とても起こりやすいです。
これが、アメリカ英語の方が聞き取りにくいと感じてしまう原因の1つなのです。
イギリス英語も、単語の終わりの「r」の後ろに母音で始まる単語が続く場合は、リンキング(リエゾン)が起こります。
例えば、「brother and sister」は、「ブラザ ランシスター」のようになります。
このようにイギリス英語でもリンキング(リエゾン)が起こりますが、どちらかというと、一つひとつの音をはっきりと発音する傾向が強いです。
なので、イギリス英語の方が聞き取りやすく感じます。
まとめ
今回は、イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いについてお話してきました。
こういった違いが、イギリス英語らしさを生むんですね。
今回、この記事を書くために、イギリス英語とアメリカ英語の違いを復習しました。
その復習に使った本が、「日常生活のイギリス英語表現」です。イギリス英語とアメリカ英語を比較しながら勉強できる、とても良いテキストだと思います。
このテキストは、同じ著者が前に書いた「イギリス英語フレーズブック」よりも、かなり内容が充実していました。 イギリス英語フレーズブックは、その名の通り日本語と、それに対応するイギリス英語のフレーズがリストのように載っています。なので、辞書のように気になったところだけ調べる感じで使っていました。
でも、後継版?の「日常生活のイギリス英語表現」は、「脳内イギリス留学を楽しもう!」というだけあって、主人公のロンドンでの留学生活を通して会話を学んでいきます。ホストファミリーとの生活から学校やレストラン、買い物で使う英語表現がたくさん出てきます。
スラングも出てくるし、イギリスのマナーやルールについても学べます。
もちろん、イギリス英語とアメリカ英語の発音や語彙、文法の違いも学べます。
イギリス英語だけ、アメリカ英語だけについて学ぶ本が多い中、両方を比較して書かれている項目が多く載っている、めずらしい本だと思います。
今のところ「日常生活のイギリス英語表現」は、Amazon Kindle Unlimited の対象書籍になっています。
Amazon Kindle Unlimited の会員なら、タダで読めます。 まだ会員でなければ、30日間のAmazon Kindle Unlimited 無料体験キャンペーンを利用して無料で読むのもよいと思います。話が少しそれてしまいましたが…
発音の勉強をしたあとに、映画でイギリス英語とアメリカ英語の違いを聞き比べてみると、今まで気が付かなかった差に気付けて、とても面白いですよ!
アンリのイギリス英語では、
こちらのジャンルごとに、おすすめの映画を紹介しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
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では、今回はこのへんで
Seeya!
またね
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